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2007年06月03日

象牙輸入、再開へ


象牙は古くから、密度が高く切削加工しやすい素材として珍重された。特にその重量感と温かい風合いは、多くの人に好まれる所で、ピアノの鍵の代名詞でもあり、ビリヤードの流行の際には、ビリヤードの玉を象牙で作ることが一般的であった。しかしこの素材は高価で、また乱獲により得がたくなってきたことから、これに代わる素材の開発が求められ、19世紀に入ってセルロイドが発明された。

かつて日本は最大の象牙輸入国であったが、ワシントン条約の締結により1989年より象牙の輸入禁止措置が採られ、事実上、世界の象牙貿易は終了した。しかしその後、ボツワナ、ナミビア、ジンバブエのゾウの個体数が間引きが必要な規模へ急増。1997年のワシントン条約締結国会議で、ナンバーリングを行う等の措置を条件に貿易再開を決議。1999年に日本向けに1度限りの条件で貿易が行われた。
南部アフリカ諸国はゾウの急増により農業被害や人的被害や見られることもあり、引き続き貿易の継続を要望したが、一方で無制限に貿易が再開されると錯覚した密猟者がアフリカ各地で活動を活発化、混乱が生じたことから再開の目処は立たなくなった。
2007年、ワシントン条約の常設委員会は監視体制が適切に機能しているとした南アフリカ,ボツワナ,ナミビアが保有している60トンを日本へ輸出することを認める決定をした。なお日本と同じく輸入を希望していた中国は認められなかった。

【印鑑の高級素材としての象牙】
適度に吸湿性があって手になじみやすく、材質が硬すぎず・柔らか過ぎず・加工性も金属や水晶や大理石・翡翠などより優れている。朱肉の馴染みもきわめてよく、高級感もあるために、印鑑が契約や公式書類では欠かせない日本においては、ワシントン条約締結までは日本が一番の輸入大国であった。これらは現在では、国内に条約前に輸入されたものが今も加工されているほか、水牛の角やセイウチの牙、またはロシアの永久凍土より掘り出されたマンモスの牙が代替品として利用されるなどしている。

なお近年では、象牙と全く同じ質感のある素材を、牛乳のカゼイン蛋白と酸化チタン粉末から作ることが可能で、これを利用した象牙風の(安価な)製品も存在する。

印材としての象牙でも部位によってランクがある。安物は表面近くの筋が多く入っている物。先端に行くほど、中心に位置するほど貴重な物とされる。通常は木材と同じく縦目に切削されるが、側面から見て年輪のように模様が出る横目印材が最高級。

【楽器部品としての象牙】
三味線の撥として、適度な弾力、掌の湿度を吸収することにより手との馴染みが良いこと、舞台映えの良さなどで、多くの三味線音楽分野において最高の素材とされている。代替品として木や合成樹脂製のものも普及しているが、いまだ象牙を超える素材が見つかっていない。箏の爪についても同様である。この他箏の柱(じ・現在では一般的にほとんど合成樹脂製)、三味線の駒(三味線音楽の種目により象牙を使用しないものもある)においても象牙の優れた性質に勝るものがないのが現状である。更に紫檀や黒檀などの唐木との色彩対比が美しいことから、それらと組み合わせて箏や琵琶の部分的な装飾にもしばしば使用されるが、現在は次第に使われなくなる傾向にある。また三味線、ギターやリュートのナット(上駒)、三味線やリュート、ヴィオールなどの糸巻(ペグ)にも使用される。音色への影響もあるが、主に見た目の美しさで選ばれることが多い。

古くからピアノの白鍵に貼られてきたが、象牙の入手が可能だった以前から、アクリルが用いられ、より安価であった。象牙の入手が困難となった現在では、アクリルに加えて、象牙に似た特性を持つ人工象牙など、演奏しやすいものが開発され、鍵盤に使われるようになった。ただし現在でも一部のフルコンサートグランドピアノなどの鍵盤部には、本物の象牙が使われている。

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posted by まつ at 22:29 | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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