はしか(麻疹)は、ウイルス感染症の一種。伝染力が強く、日本では一生に一度はかかると言われている。
麻疹には、症状の出現する順序や症状の続く期間に個人差が少ないという特徴がある。ただし、免疫のある患者では、非典型的で軽症な経過をとることがある。ワクチン接種歴により軽く済むといわれるが、後年再び感染することが多い。
麻疹ウイルスへの曝露から、発症まで8〜12日間かかる。
発症すると、発熱(39℃程度の高熱となることが多い)に、咳、鼻汁、結膜充血、眼脂(がんし、目やにのこと)といったカタル症状を伴う。発熱2〜3日目で頬粘膜にコプリック (Koplik) 斑が出現する。コプリック斑を認めれば特異的な診断価値が高い。カタル期は3〜4日間続いた後、いったん解熱する。
他者への感染力は、カタル期に最も強い。
カタル期の後にいったん解熱するが、半日ほどで再び39〜40℃の高熱が出現し(二峰性発熱)、発疹が出現する。発疹は体幹や顔面から目立ち始め、後に四肢の末梢にまで及ぶ。
発熱・発疹のほか、咳・鼻汁もいっそう強くなり、下痢を伴うことも多い。口腔粘膜が荒れて痛みを伴う。これらの症状と高熱に伴う全身倦怠感のため、経口摂取は不良となり、特に乳幼児では脱水になりやすい。
発疹期は発疹出現後72時間程度持続する。これ以上長い発熱が続く場合には、細菌による二次感染の疑いがある。
【予防】
小児期に予防接種が行われている。しかし日本の予防接種率は低い。そのために、日本では麻疹の罹患数が多く麻疹輸出国として非難されている。ごくまれにではあるが、内攻型麻疹や出血性麻疹といった重症型の麻疹を発症することもあるので、予防接種は重要とされる。
ワクチン接種後の抗体価の低下を防ぐため、諸外国では年長幼児〜学童期に2回目のワクチン接種を行い、抗体価の再上昇(ブースター効果)を図っている。日本においても、2006年4月以降に1回目のワクチン接種を受ける児からは、就学前の1年間に2回目の接種を実施できるように予防接種法が改正された。
アメリカでは1970年代後期より麻疹ワクチンの徹底した導入により、現在の麻疹発生率は年間200人程度となり、メディカルスクールの学生の実地教育にも事欠くほどに患者が減少したと、言われている。


